300番ということで、何となく 偉そうなテーマにしてみました。
「調教を診る」とは どういうことなのか、私なりに ちょっと書いてみます。
4/17 加筆修正
調教診断とは どういう行為か?
かっこよく言うと、「調教というのは、競走に臨むための 調整と鍛錬と教育」 と言えると思います。
あくまでも「目的はレース」であって、そのための手法は厩舎によって様々です。
そして結果として「調教映像」や「調教時計」という記録が残ります。
それを手がかりに 状態とか気配を探るわけです。
判りやすく例えるなら、「ゴミを拾って、そのゴミの内容から その人の収入を推測する」という感じです(笑)
麻雀で言えば、捨て牌やリーチ牌から その人の上がり手や待ち牌(当たり牌)を推測するようなものです。
これが調教診断と言えます。
「調教パターン」とか「厩舎のコメント」などは、本来(狭義)の調教診断ではありません。
これは先ほどの例えで言えば、「直接 本人に生活ぶりを聞いてみる」とか「家の中を覗いてみる」と言う感じ、
麻雀で言えば、「テンパイしたときの本人の表情」というようなものです。
まぁ、広い意味では「調教から気配を探る」とは言えますけどね。
・・・以下、続きます
調教診断と厩舎情報
このあたりを ときどき混同混乱して 調教診断を捉える人がいます。
「厩舎情報」とか「厩舎の追い切りの意気込み」「追い切りの感触」などは 調教的な情報ではあるけれど、
本来の言うところの調教診断ではありません。
いわゆる「厩舎の人」の意思・見解を通した 厩舎情報の一種で、二次情報です。
厩舎情報を代弁するのは、調教診断とはいえません。
調教診断と調教関係情報、確かに双方を組み合わせれば 的中率は上がるのですが、本来は こういう違いがあります。
私は 基本的に 調教を純粋に見て、その解析の手がかり(調教の意図など)として 厩舎情報を用いてます。
王道が無いから、難しい・・・
調教構成が確立している古馬などでは、「調教パターン(勝負の追い切り)」とか「調教時計の比較」「調教映像」などが有用ではあります。
ただ、若駒・・・私が攻略を目指している「未勝利戦」では、実際問題として新聞の調教欄しかなく、こういう読みは通用しません。
(そもそも調教映像などは 見る機会も無い)
「勝負の追い切りパターン」というのが無いわけではないですが、それはあくまで その馬のその陣営の中に限られた範囲での勝負であって、
それが 実際に勝ちに繋がるかどうか、そういう能力があるかどうかは、また別の話でもあります。
「調教時計」を幾ら精密に換算したところで、それは固定された調教構成(古馬など)において通用する計算です。
調教構成が変えてきた馬や、情報の少ない下級条件などで広く適用できる手法ではありません。
(重賞予想としては有用だとは思います)
「調教映像」で気配を探るというのも高度な技術で、私が今 最も勉強したい分野です(2ちゃんねる 競馬板の 調教スレの方たちは、映像から調教を語っていて、私は凄いと素直に尊敬してます。)
これら全てを 全出走馬の検討に用いるとなると、とてもじゃないけど時間が掛かりすぎます。
なんか、調教の良し悪しが簡単に判る方法はありませんか~?(笑)
指数を作る意義とその難しさ
調教 とくに追い切り映像などでは、日和見の調教診断に流れてしまいがちです。
これは何故かと言うと、「調教の良し悪しを測る物差し」が その人にしっかり出来ていないからです。(一部の競馬解説者の調教診断とかね)
では、物差しとは 何か、どういうものか。。。。
実は、調教の見方というものは確立されていないため、誰も本当のことは書けません。
当然、それがどんな物差しなのか、想像もできません。
だから、私は「無謀」「無意味」と思われてでも、「調教指数」に挑んでいます。
指数化の手法として、「新聞の調教評価を 統計的に集める」・・・という形式を採ろうとは絶対に考えません。それは他人の調教の評価を当てにすることであり、すなわち人間の主観・実績に流される病魔と 結局 離別できないからです。
新聞の調教評価の統計、大人数の統計にすれば、ハズレは少なくできるかもしれませんが、それでは「調教」というものを研究することとは別物になってしまいます。
だから、高い精度を求めるのならば、安易な「平均・統計」の指数化という手法を切り捨てて、敢えて困難な 調教そのものの研究をしっかりやらないといけないのです。
しかし、調教の指数化というのは 非常に難しいのです。
調教という相手は、「走破時計を馬場差で調整すれば出来る」という代物じゃないからです。
判りやすく例えますと、野球のピッチャーの良し悪しの採点のようなものですね。
直球(ストレート)の速度を指数にすることは、大して難しくなさそうですよね。
まぁ、コントロールまでぐらいは 確率として 数値化は出来るかもしれません。
直球勝負の投手だけの世界なら、これで指数化は出来そうです。
これで済むなら、私はとっくに「調教なんて簡単だよ」って大口 叩いていると思います。
ただ、野球のピッチャーの良し悪しは、直球だけでは とても測れません。
カーブやスライダー、フォークボールの質も評価しなくてはいけないからです。
調教も厩舎によって、直球もあれば、変化球もあるし、緩急を得意にした投手もいます。
調教でも 目一杯追う直球厩舎もいれば、チョロッと走る変化球厩舎もいます。
では、この変化球、そういう評価手法、どういう採点方法にしたらいいでしょうか?
どういう換算すれば、直球の投手と比較できるような採点ができるでしょうか?
これらを一つの数字に換算しようなどという調教の指数化が、いかに難しいか判って頂けるかも知れません。
それでも指数化(物差し作り)に挑むつもりです。
それが出来て、主観や実績に捉われない 本当の調教採点が出来ると思うからです。
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