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「ミトコンドリア」論に疑問あり

2005/12/16 02:25 血統論に噛み付き
さて、以前に血統論で「ミトコンドリア」について、ちょこっと触れたことがありました。
その時は話がマニアックに脱線しないように、あまり詳しく言及・追及しなかったのですが、
今月発売の『競馬最強の法則』誌に於いて、意見・見解の相違(はっきり言えば、トリビアなのかガセビアなのか)があったのです。

こういうことは時期を逃すと、ちんぷんかんぷんに成ってしまうので、推敲もしないまま 取り急いで述べたいと思います。
このブログを、科学に精通した人も見てるかも知れないし、そこは早めにキッチリ自分の考えを表しておこうと。


一般的な競馬ファンからすると、「ミトコンドリア」なんてものは、直接、競馬と関係ない話題かもしれませんが、
競馬を究めようという人間にとっては、あらゆる知識はムダではないと思います。

さて、今月発売の『競馬最強の法則』誌「血統論・ミトコンドリアの巻」にて「ミトコンドリアは母系からしか遺伝しない」などと書かれています。
たしか、この雑誌、昔にも、そんな感じの血統論で連載があった記憶があります。
これが私の先日言っていた「血統論によくある 怪しい科学的っぽさ」の一例です。

わたしも、先日の血統論の記事では、「母系の細胞質遺伝」というようなことを書いてます。これは話が脱線させたくなかったので、簡潔にこう収めておきました。
しかし、実際には、そんな単純なものでもないのですよ。
私が記憶にある範囲で書いてみます。
詳しいことなどは、もっと信頼性のあるサイトや文献でお願いします。

ミトコンドリア・・・?

さて、このミトコンドリアって何?という基本的な説明から。

私たち人間はもちろんのこと、馬、昆虫、植物、カビ、ビフィズス菌やら大腸菌など、
私たちが一般的に生物といっているものは、細胞と言うものから出来ています。
(ただし、ウイルスとか、狂牛病などを起こすとされるプリオンは、全く別の存在です。)

それぞれの細胞のなかに、エネルギーを作り出したり、呼吸などの代謝を行なったりする器官があります。
それがミトコンドリアという存在です。

血統論でミトコンドリアが引っ張り出されるときの論理は、こういう感じです。

「ミトコンドリアが優れている血統は、呼吸や代謝が優れている(ハズだ)。すなわち ミトコンドリアが優秀な血統は優秀な馬を作る」

ま、細かいことはともかく、そういうことです。

さて、このミトコンドリアは、よく「母系遺伝」といわれます。

母系遺伝・・・?


また厄介な用語ですね、「母系遺伝」。

細胞というのは、核という器官のなかに 遺伝子 という ものがあります。
それには、その生物を作るための全ての設計図が収められています。

普通、父親の遺伝子の半分が収められている精子と、母親の遺伝子の半分が収められている卵子が、受精することで遺伝子も合体するわけです。
(合体という表現が相応しいかどうかは、さておき。)

つまり基本的に遺伝子は父母から半分ずつ与えられるのが、遺伝です。
(これまた性染色体がどうとか、遺伝子の働き方などで、これまた複雑なところもあるのですが、省きます。)

しかし、ミトコンドリアには大概、核とは別に独自の遺伝子をもっています。

受精の際、精子のミトコンドリアは受け継がれることないために、卵子のミトコンドリア遺伝子が、そのまま子に伝わるということです。

つまり、仔馬の細胞の、ミトコンドリア遺伝子は、必ず母親のものを受け継ぎます。

これがここで言う「母系遺伝」。

先ほどの論理と重ねると こういう理屈の血統論になります。

「優れた馬を作る 優れたミトコンドリアは、母親(母系)からのみ受け継ぐのである。」

ミトコンドリアと進化・・・?


さてさて、なんでミトコンドリアが、ご主人様の核の遺伝子に隠れて、勝手にへそくりのような小遣い遺伝子をもっているのか。

これは、私たち生物の、はるか数十億年前のご先祖様、それこそ真核細胞生物の時代より、もっと前。

原核生物(核のご先祖)とミトコンドリアのご先祖が、一緒くたに一つの生物となった名残り・・・というのが、今の有力な説です。
もともとはそれぞれ遺伝子を持っていた生物だったものが、合体したわけです。

ちなみに、進化や生物の近親関係を調べるのにも、ミトコンドリアの遺伝子(の比較)を用いるらしいです。

かくして ミトコンドリアの遺伝子は 核に委ねられた・・・


さて、ここからがやっと本題。

先ほどまでの話ならば、「優れた馬を作る 優れたミトコンドリアは、母親(母系)からのみ受け継ぐのである。」という話も説得力のある話。

しかしですね、、、、今の進化の進んだ人間とか馬とかになってくると、
ミトコンドリアの遺伝子のなかに、本来持っていた(ミトコンドリアがミトコンドリアとして生き残るための)遺伝子のうち、ごくわずかしか残っていないらしいのです。

もっと言うと、

ミトコンドリアの遺伝子だけでは、ミトコンドリアとして存在して行けない。
なのに、ミトコンドリアはちゃんと存在して、きちんと大きな役目を果たしている

これはどういうことでしょうか?

はるか太古に 独自に生きていたころの ミトコンドリアを産み 作り 働かせる遺伝子 が、今のミトコンドリアに無いとすれば、どこかに在るはずなのです。

では、それはどこにあるのか?

それは「核」にあるというのが、今の説です。

説というと、まぁ信頼性が怪しく聞こえますが、
かといって、今のミトコンドリアには、とても充分とは言えない少数の遺伝子しかないのですよ。

だから、「長い長い進化の過程で、ミトコンドリアは、自分の持っていた遺伝子の大半を核に委ねた。」ということになる。

つまり・・・・。

ミトコンドリアの性能は、ミトコンドリアよりも核が重要なんです。
普通の遺伝と同じ、核の遺伝子に、ミトコンドリアの遺伝子が収められているということらしいです。
だから、ミトコンドリアの器官自体は「細胞質遺伝による母系遺伝」かもしれないが、
肝心の「ミトコンドリアの性能」のほとんどは、核に有ると考えるのが、自然な考え方なのです。


科学って面白くも 難しいもんですね。。。

馬は単細胞生物じゃないんです・・・


さて、「細胞の呼吸と発電所のミトコンドリアが優れていれば、呼吸も運動も優れている」という論法そのものにも、難しい問題があるように思います。

もし、これが単細胞生物のアメーバとかゾウリムシだったなら、「ミトコンドリアの性能=呼吸代謝機能の性能」で良いとしても・・・。

ミトコンドリアの代謝と、競走馬の代謝を、一緒くたにしてしまっていいのかどうか・・・?
ここにも疑問が生じます。

例えば、馬の呼吸を考えて見ましょう。

馬の鼻腔の大きさは、ミトコンドリアに関係ないですね。

馬の気管の形状や断面積も、ミトコンドリアに関係ないですね。

馬の肺の大きさとか肺胞総面積も、ミトコンドリアの問題じゃないですね。

馬の血液のへモグロビン量とか、ミトコンドリアの問題じゃなさそうですね。

細胞レベルに於いても、
細胞から出し入れする細胞膜の性質や様々な受容体やら、
細胞内の酵素分泌なども、ミトコンドリアの管轄じゃ無い気がします。

ミトコンドリアの呼吸機能などは、単に「末端の個々の細胞の代謝」のレベルでしか無いと思います。

一口に「呼吸」と言ったって、馬は単細胞生物じゃないんですから、細胞内のミトコンドリアだけが呼吸じゃないでしょ。
酸素と二酸化炭素の代謝が盛んになっただけで どうこう語るのは乱暴な気がします。



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[Comments]「ミトコンドリア」論に疑問あり 投稿欄

156 ★ kbtmsi さん…URL @ 2007/02/03 19:45 [編集]
いえ、とんでもない。
いえ、とんでもない。
文章から、管理者様のお気持ちは十分伝わってまいります。
科学と「科学っぽい」は兄弟関係かもしれません。
成り立ちからしても、神秘主義のような胡散臭いものと
切り離せない側面があります。だからこそ正確な表現が
必要になるのでしょう。
ご返信ありがとうございました。
かげながらご活躍をお祈りしております。
kbtmsi
155 ★ ミュープル さん…URL @ 2007/02/03 10:55 [編集]
確かに言いすぎですね~
科学は 理論と実証で築かれるものですよね。
そういうことで、わたしが安易に言いすぎた ということだと自分で思います。(とくに細胞レベル以下)

このエントリーは「競走馬の能力は、(細胞の呼吸代謝の関わる)ミトコンドリアの影響が大きい、それゆえに 牝系血統を特別重視すべき」という説が、競馬雑誌や競馬血統本で 半ば「科学的理論」のように 語られている点に対しての、素直な疑問を表したエントリーでした。

一つの科学的っぽい理屈を針小棒大にして、科学的語句で彩って「科学的理論」と見せかけて、それで商売(記事・書籍など)につなげる人物や現れ、しかも それが実証済みの科学理論として流布されてしまう…。

これは先日の某健康番組の捏造問題に似ています。そして、それに対しての 「それって どうなの? だって、こんな話もあるし~」と言う記事のつもりの途中で…

「呼吸と代謝は、ミトコンドリアだけが決めるものじゃない。それは 呼吸器や循環器 筋肉そのほか それぞれの形状・組成という(それらはおそらく核遺伝子由来であろうという推測で) 複合的な要素の上に成り立っているはずだ」と言うところが、表現が雑でしたね。

この記事で 勝手理屈の恥を晒している部分があるところを、kbtmsi さんのツッコミで きりっと引き締まった感じです。
コメント、ありがとうでした(^^)

154 ★ kbtmsi さん…URL @ 2007/02/01 12:14 [編集]
はじめまして。
はじめまして。
昆虫のミトコンドリアについて調べているうちに、ココにたどり着きました。
下記の文章ですが、少々観念的に聞こえるのですがいかがでしょうか。
関係しているかもしれないし、関係しているかも知れない。
だから研究して明らかにすることが、科学ではないでしょうか。
関係していないと結論付けるのは、関係していると言う以上に難しいことです。


馬の鼻腔の大きさは、ミトコンドリアに関係ないですね。
馬の気管の形状や断面積も、ミトコンドリアに関係ないですね。
馬の肺の大きさとか肺胞総面積も、ミトコンドリアの問題じゃないですね。
馬の血液のへモグロビン量とか、ミトコンドリアの問題じゃなさそうですね。
細胞レベルに於いても、
細胞から出し入れする細胞膜の性質や様々な受容体やら、
細胞内の酵素分泌なども、ミトコンドリアの管轄じゃ無い気がします。
ミトコンドリアの呼吸機能などは、単に「末端の個々の細胞の代謝」のレベルでしか無いと思います。

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