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角居 勝彦 厩舎

2008/05/11 23:40 厩舎ミュー鑑 [角居 厩舎 ]

本気が見えてこない ヌエのような厩舎

(2008年5月11日)

この厩舎は ウオッカのようなG1馬を輩出するが、未だによく判らない厩舎である。 私が もともと「厩舎の調教パターン」という視点をあまり持たないタイプなので、 こういう「厩舎分析もの」は他の調教論者に任せたいところであるが、最近は アクセスが急増していることから 要求があるようなので、私なりの印象を率直にちょっとだけ書いてみます。

先に述べたように、この厩舎の調教は「藤澤型」と「松国型」に大別できる。 言い換えれば、「トラックコース併せ馬タイプ」と「坂路タイプ」で、とくに前者のものは調教診断泣かせの 「藤澤式ゆるゆる調教」で、気配が見えづらい。(1・だから 調教診断で 厩舎情報を頼って 無責任な調教診断が横行する元の厩舎でもある)(2・併せ馬で折り合いの勉強をさせるため、スローで行きたがる馬の様子を絶好気配と見誤る調教診断も良く見かける)。

それよりも 本当に悩ませるのは「のらりくらりヤラズ」で、いわば「馬を仕上げないで出走する」ことが 良くある。 これは「馬体に何かしら弱い部分を抱えている馬」とか「上がり目は無い高齢馬」で「ダメもとで出走」するとかだけども、馬を痛めつけるようなことをしたくないので、「(調教で)仕上げない」。

「ヤリヤラズ」はこの厩舎に限ったことではないが、凄いのは「平場だろうがG1だろうがスタンスが変わらない」という部分。以前に「(実戦を調教代わりにする新人厩舎らしくない)度胸がある」と書いたが、逆に言えば「重賞を軽く見ている」ことでもある。実に飄々とした調教師なのである。

ここは、そもそも「仕上げる」という概念が通用しないところがある気がする。 「調教」と「実戦」が渾然一体とした感じで、俗に言う「使いながら仕上げる」のだけども、 かといって「目標のレースにビッシリ仕上げて来る」という勝負気配が G1戦でさえ あんまし見せない事が良くある。 むしろ「そのうち仕上がるだろう」という成り行き行き当たりばったりのように見えるところがあり、 それは或る意味 凄いところである。

もちろん、この厩舎なりの仕上げ時はあるのだろうが、それは調教だけで簡単に判別するのは なかなか大変である。


噛み合わないウオッカ

(2008年5月11日)

この厩舎は「藤澤型」と「松国型」という極端な手法を並立させている面白い厩舎だが、 ちょっと理解に苦しむところがもっとある。

それは 若いころから牝馬を坂路で追いきらせるために、気性難で結果が出なくなるケースがある。 藤澤式を使えるのに、なぜ松国型にするのかが判らない。 本家の「松田国英」厩舎の方が、よっぽど牝馬に気遣った調教をしている。 これは何らかの計算(確率や賞金)が絡んでいるのかもしれない。

勝負時に、騎乗する騎手に坂路でびっちり追い切りさせるため、勝負で引っかかるようになる。 ウオッカは、結局 気性の問題が解決どころか悪化しているようにさえ見えるほどで、結果が出なくなってしまった。 たとえばウオッカは桜花賞までは CWで追いきられている。ダービーで坂路追い切りに切り替えているが、 そのダービーのあとは 期待を裏切り続けているといって良い。鞍上が「折り合いナルシスト」であったがゆえに、 「(折り合いを解消しない)調教」と「(折り合わなければ結果を出さない)騎乗」が、 そして「(切れ味強化の)調教」と「(切れ味重視で展開に注文が付くようになった)騎乗」が、 どこまでも平行線で噛み合わなくなってしまった。

ディアデラノビアなどは だいたいCWで追いきられており 安定した結果(そのほとんどが5着以内)も出しているが、 惨敗となった安田記念(14着)が坂路追い切りだったことも興味深いことである。 (因果関係が直結しないかもしれないが)

ドバイで武豊が騎乗し、先行策でそれなりの結果を出せた部分は、復活の光明が見えた感じがする。今後の注目点は「坂路追い切りを捨て、CW追い切りに変えるかどうか」であるような気もする。


豪華な師匠のもとで培った 度胸

(2005年12月8日21:50)

テイエムプリキュアと似た経験は、デルタブルースの菊花賞の調教を見てたとき以来かも。

あのときの角居厩舎の場合は、今回の五十嵐厩舎の件とは また別のパターンで、 「下級条件戦を調教代わりに勝ちぬけながら、菊花賞に仕上げを合わせてくる」という芸当に驚いたっけ。

そのときは角居厩舎という厩舎を知らなかったんだけど、「無名厩舎なのに(⇒ 当時の私は、角居厩舎を知らなかった。恐縮・・)G1に向けて こういうじっくりと狙い済ます芸当ができるなんて、ずいぶんと度胸がある厩舎だなぁ」と思っていたら、 藤澤厩舎や松田厩舎などで「G1を幾つも手にする一流厩舎」の助手をやっていた・・・とデルタブルースの菊花賞優勝後に知って、すんなり納得。

そういえば、ハットトリックなどの調教を見ていると、 いかにも藤澤厩舎っぽい「ゆるゆる調教」と、松国厩舎の「坂路調教」をミックスにしたようで、なかなか面白い。


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