(血統の屁理屈は、今回と次エントリーを以って 小休止ということにします)
ここ最近、馴染みの無い「血統」の話を、しかも 面白くも無い「総論」を書いていたわけですが、そもそも血統とは距離を置いていた私が、こういうことを書くのは自分でも 正直 驚きなのです。
なぜ 血統、なぜ この時期。
その理由をよくよく考えてみたら、たぶん それは
ライスシャワーのせいかもしれません。
長距離においてのみ際立った能力を見せ、ミホノブルボン や メジロマックイーン という大物食いで敵役となった 近年では滅多に見られない 高い実績を伴う長距離極性馬。
噂の範疇ではありますが、2度目の天皇賞で感動の復活優勝も、極端な長距離馬では種牡馬としてメドが立たず、そのまま宝塚記念に出走。
そして その競走中に故障を発生し、予後不良となった。
とくに今年の宝塚記念は、ディープインパクトになぜか このライスシャワーと重なる部分があるように思います。
今週は調教通信をお休みしましたし、来週も所用のために調教通信が出せそうにありません。そこで ボツにした記事ですが、空き埋めに残しておきます。
サラブレットの血統には厄介な制約があります。
まず、自由勝手に配合相手をもってくることは許されず、雑種はサラブレットとは認められない。
例え、サラブレット以外との配合で素晴らしい成果が神に約束されていたとしても、それはサラブレット界では許されない。
サラブレットは サラブレットと交配せねばならない。(ま、原則論ですけど)
では、サラブレットと交配するにしても、閉鎖的なサラブレットの血統界の、さらに小さな一国のなかでは、ときに行き詰まりを見せる危険がありますよね。
それは、サラブレットの世界では、交配の相性を見極めることよりも、良い馬という結果だけを安易に求めるがゆえに、熱狂的に一種牡馬に偏りが生じ、それが同系血の氾濫となり、意義の薄い近親交配が増えてしまう不安があります。⇒*1
また、遺伝の突然変異を期待してみたところで、そんなことはそうそう起こることは無いですし、
しかも 人間側の都合の良い方向への突然変異などは、確率的に 到底 期待できません。⇒*2
近親交配の濃密化は許されないが、しかしサラブレット同士でないとサラブレットとして存続が許されない。
これは矛盾といえば 矛盾なのだけど、さて・・・この矛盾をどうすれば良いのでしょうか?
答えは「サラブレットの血統世界内で、異種系を複数 作って 共存させていく」しかないのです。
これが、サラブレット同士の交配を続けながら、近親交配の行き過ぎの制御弁となる方法だと思いますし、というか、それは必要条件だと思います。
世界では、アメリカ、アイルランド、イギリス、ドイツ、イタリア、カナダ、日本 などが馬産を行なっているわけです。まず第一に、競走馬生産を行なっている それぞれの国で、それぞれ独自に固有血統を保持するのが、最も自然な形ではないでしょうか。
さらには、様々な距離や路質での路線を維持し、血統に多様性を許すようにしなくてはいけないでしょう。
最近の傾向のように 短距離傾倒 が進んでしまうと、一血統に収斂してしまう危険があります。
だから興行面だけを考慮してレース体系を整備してしまうのに、少々不安を感じます。
遠い将来の競走馬生産のための遺伝子的財産を 私たちの世代で滅ぼすことになる・・・そういう危険を意識する必要が有るでしょう。
世界的な競馬(競走馬生産)国となろうとしている(もはや成っている)日本は、幾つかの血統を財産として維持する使命が間違いなく有るように思うのです。
(よくよく考えてみれば、いざとなったら海外から異系を輸入すればいいだけの話か・・・)
前記事の「血脈を残す哲学」の追記部分がちょっと長くなりました。
厄介な前回記事を苦労して読みこなしてくれた方の為に、追記部分だけを 別記事として載せておきました。